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Move On Up !

 curtis mayfield move on up.jpg

 社会人1年目で一番印象的な曲といえば。
 カーティス・メイフィールドの『Move On Up』。
 もうこれしかない。
 ムーブ・オン・アップ。
 その頃、フリーソウルが時空をこえて鳴り響いていた。
 社会はバブル崩壊後、ただただ長時間働いた。
 そこでいろんな仲間に出会った。同期や先輩たちと笑ってた。
 そして、めちゃくちゃ挫折した。若気の至り、ここに極まれり。
 でも、すごく助けてくれる人もいた。
 一生涯大切にしたい言葉もあった。
 音楽もだな。
 しょっちゅうカメラをかかえて横浜に行ってた。
 まだ70年代っぽい雰囲気を残していた。日劇もあった。
 カーティス・メイフィールドのCDを買ったのは、タワーレコード横浜元町店だった。
 今はもうない。
 純粋に音楽にもっともお金をかけていた頃。

 もし、「社会人1年目の人に贈る曲は何ですか」と聞かれたら、
 すぐに『Move On Up』と答える。
 Move On Up。
 ムーブ・オン・アップだよ、若者!!

 (もうこんなカッコいい曲、ないと思うね)


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Waiting On A Friend

 沖で待つ.jpg

 まあ、この歳になってつくづく思うのは、同期って大事だよな、ということ。
 今さら同期なんて作れないから。
 というより、新入社員の時だけだよね、出来るのは。

 自分は何回か転職してるので、同期と一緒に仕事なんてもう遥か昔のことなんだけど、半分以上はいま何やってるかさえ知らないし、そもそも大概忘れてる。
 でもねえ、やっぱり何人かはハッキリ覚えているし、その内の何人かは、未だにかけがいのない友だち。というか、戦友、親友みたいなもん。
 だって、あのどうしようもなく恥ずかしく、打ちのめされ、蹴とばされ、必死でもがいてた1年目を伴走してくれた人なんて、同期以外いないでしょ。
 (あっ、先輩はいたけど、超恥ずかしい顔を見せられたのは同期だけ、ってことで)

 この作品『沖で待つ』は、だからまあ、よく分かるんだよね。
 主人公は女性で、同期の太っちゃん(このネーミングがすべて、ってくらい作品にとって素晴らしい)は男性なんだけど、最初に同じ部署に配属された2人なんで、恋愛なんかまったくないんだけど、同期として、同志として、かけがえのなさは痛いほど分かるのよねえ・・。
 で、まさかの展開があって、彼女は戦友の同期のために決死の作戦を決行するのだけど・・(そこは読んでみて!)。

 基本的にさらさらと読めるし、淡々と進んで行くんだけど(それってわざとやってるからスゴイんだけど)、作品のタイトルになった「沖で待つ・・」ってところね、ここがまた唐突に、グッときちゃうんだな、これが!


 さて、英文タイトルは『Waiting Offshore』の方が正しいのだろうけど、作品内容を反映し、『Waiting On A Friend』にしてみました。
 いや、ローリング・ストーンズの好きな曲名なので。
 それでいいだろ、太っちゃん・・。

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The Empire Of Lights

   The Empire of Lights 1.jpg

 先日やってたNHKの「下山事件」、すごく良かった。
 ドラマ・パートとドキュメント・パートがあったのだけど、両方とも良かった。
 特にドラマ版のあの迫真の演技(やはり森山未來)が最高だったな。

 あと、最後に角栄を検挙したとき「本当に日本は独立しているのか」みたいなことを呟くんだけど(つまり、単に角栄とロッキード1社の問題ではなく、もっと巨大な帝国の闇に日本が覆いつくされているのではないか、という示唆)が良かった。

 で、このルネ・マグリットの『光の帝国』です。


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Deuce And A Quarter

Deuce and a Quarter 2018-03.jpg
 Deuce and a Quarter / Vinca Petersen (2018)

 昨秋、普段行かない街で洒落た本屋さんに寄ったら、たくさんの素敵な本があって、本当に嬉しくなってしまった。
 そんな中、表紙を見ただけで一気に魅入られたのが「Deuce and a Quarter」という作品で、すぐに手に取ってページをめくると、あまりに素晴らしい写真ばかり並んでいてすっかり心を奪われてしまった。
 カラフルで淡い色調、ロードムービーのような手触り、躍動感にあふれ魅惑的な人々、微かに流れる郷愁・・。
 ものすごく欲しかったのだけど、値段は約1万円(もちろん内容はそれを軽く上回って余りあるが)、手持ちはぎりぎり、生活費も含まれる。どうしよう・・。
 散々迷った挙句、泣く泣く次回に持ち越すことにした。
 (本屋さんを出てからも、やっぱり戻って買っていこうか、すごく悩んだ)

 家に帰って調べてみると、女性写真家ヴィンカ・ピーターセンの作品で、アメリカ / テキサス横断の旅をした際に撮影した写真集だという。
 (一緒に旅したのは、伝説の女性写真家コリーヌ・デイ、スーパーモデルのローズマリー・ファーガソン、写真家のスージー・バブチック)
 なるほど、本当にロードムービーだったんだ、と思った。しかも、その旅に使ったのが70年代調の「Buick Electra 225」というクラシックカーで、この車の愛称が「Deuce and a Quarter」。
 それをタイトルに使うとは、なんとカッコいいこと!

 作品が出版されたのは2018年のこと。しかし実際に旅に出て写真を撮ったのは1999年だという。20年ほど陽の目を見なかったということだ。
 だが今となっては、それは幸運なことであったと言わざるを得ない。撮影当時出ていたら、普通に素晴らしい内容としてのみ受け取られていたかもしれない。でも、現在の眼差しで見れば、すでに失われて久しい1999年の時代の空気がそこにくっきりと表されていることに、感嘆するのだ。
 アメリカが平和だった(と思えた)90年代の、最後の年。まだニューヨークに大規模テロの起こる前。ネットが今ほど普及しておらず、SNSもなく、紙媒体が主流だった頃。なにより人々の意識が、もっとずっと自由だった時代。当たり前のようにあった、何気ない毎日。
 彼女ら自身のリラックスした素敵な表情に加え、旅先で出会った人々や風景の、なんと大らかなこと。そして、見える世界の広く豊かなこと。
 こんな日常もあったのだな、と思わせる。
 いつの間にか、しかし確実になくなってしまった、遥かな時代の日々・・。


 ちなみにこの作品集、どの洋書サイトを見てもソールド・アウトになっている。
 評判の良さに加え、もともとの出版数も少なかったようだ。
 やはりあの時、無理してでも買っておけばよかったと非常に悔やまれる。

 洒落た街の素敵な本屋に行けば、まだ作品はあるだろうか。白い素敵なクラシックカーは、時代のどこかを走り続けているだろうか。
 豊かな日々は、まだ残っているのだろうか。


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Looking for america..

 easy rider 1969 looking for america.jpg

   俺たちは負けたんだ・・。


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Where were you in '62 ?

 American Graffiti 1973 Where were you in 62.jpg

 遠い昔、遥かかなたの銀河系で・・、ではなく社内で、映画好きの他部署の人と一緒に数ヶ月仕事をした。
 その人はやけにアメリカ映画に詳しく、作品はもちろん、映画業界全体にも詳しかった。仕事の出来る冷静な人だったが、映画の話をするときだけトーンが上がった。話が面白くて、いつも熱心に聞いていた。
 いわく、映画界と軍関係は強く結びついていて、映画で描かれたことはもう現実に起こっているとか、政治が深く映画に入り込んでいるから、その隠された意図を見逃しちゃいけないとか。
 ふだん真面目な人なので、どこまでが本当で、どこからがユーモアなのか分からなかった。基本的に部の雰囲気を良くするためのジョークだったのかもしれないし、あるいは、すべて本当だったのかもしれない。
 
 プロジェクトが一段落つき、その人は元の部署に帰っていった。見た目が若いのと丁寧な口調のため、ついぞ本人には訊けなかったが、たぶん10歳くらい年上だったと思う。本当は偉い人だったらしい。どうやらプロジェクトのため、上と闘ってくれたようだ。
 部署からいなくなる前、自分もけっこうアメリカ映画が好きなんですよ、とわたしは言った。「アメリカン・グラフィティが好きなんです」。
 おっ、いいね、とその人は言った。絶妙な時代設定がね。ウルフマンジャックがいいんだよね・・。

 そうだ。絶妙な時代設定。1962年。ケネディも生きていたし、ベトナム戦争もなかった。まだアメリカが世界一豊かな国だと信じられていた時代。その、ある夜から朝にかけての夢のようなひと時。
 最初にこの映画を観たときまだ若かった自分は、描かれた世界すべてがまさにグッド・オールド・デイズだと思った。ノスタルジーの深い余韻を感じた。
 だが一方で、本当は公民権運動や女性の権利向上のための長い長い闘いが続いていた時代。63年以降はダラスで事件が起き、ベトナム戦争が泥沼化する。70年代には様々な問題が顕在化。そして80年代に入り、保守派政権は古き良きアメリカを取り戻そうとする。すでに失われた時代を。長く切実な闘いを引き裂くように。

 今思うとあの映画好きの人は、『アメリカン・グラフィティ』より『ディアハンター』のような作品が好きだったんじゃないかな、と思う。ベトナムに行って、見え方が完全に変わってしまう世界。
 きっと不確かな時代の向こうを見つめて、世の中にある、目には見えない何かの力のことを伝えようとして。
 それとも、単に映画の話だけをしていたのか。
 お互いもう遥かかなたの場所にいて、時代の移り変わりの中にいる。もし会えたら、そのへんのこと、すごく聞いてみたいんだけどな・・。

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The Laughing Man

攻殻機動隊SAC_004.jpg

 今日2024年2月3日は、「笑い男」事件が発覚した日。
 すべてはそこから始まったわけだけれど、このページの最初も、その物語の言葉から始まる。

 https://lemon-firebrigade.blog.ss-blog.jp/2006-05-13

 まさか追いつく日が来ようとはね。

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Ain't no mountain high enough...

 Diana Ross 1970 Diana Ross.jpg
 Diana Ross / Diana Ross (1970)

 わたしたち一人ひとりを隔てているもの。断絶させているもの。
 自由にならない生活、社会、恐れや不安。金、食料。紛争。
 それは世界の潮流なのか、時代のうねりなのか。
 かつてダイアナ・ロスは歌っていた。
 この世界にはわたしたちを引き離すほどの高い山もなければ、深い谷もない。
 どんなに荒れ狂う川があっても、我々が引き離されることなんてない。
 そうなのだ。もちろん山も谷も川もすべて厳しい現実だけれども。
 たしかに我々を引き離すには不十分だ。
 きっと。

 そして気づけば、やはり断絶が存在する。
 遥か彼方まで山々がそびえたっている。
 越えることも、まともに登ることだって出来ない。
 山は十分に高い。向こう側さえ見えないではないか。

 でも、ホーンが鳴り響く。コーラスが力強く聴こえてくる。
 Ain't no mountain high enough...
 あなたを遠ざける高い山も、深い谷もない。
 そうだった。
 わたしたちを遠ざける高い山も、深い谷だって存在しない。
 そうだった・・。

 どんなに高い山があろうとも、わたしを引き止められるものはない。
 ない。
 おそらく、きっと・・。

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Lisa in New York

 Lisa in New York a Go Go.jpg

  リサは前に進んでいくよ!


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Vanishing Point

 VanishingPoint_1971.jpg
 バニシング・ポイント(1971)

 これはもう大、大好きな映画。
 どこまでも疾走する1970年型ダッジ・チャレンジャー。あらゆるものを振り切り、自由へと爆走するが、その魅惑の車を駆る男には、ずっと切なさが交差する。
 そして盲目の黒人DJ・スーパー・ソウル登場。痺れるまでの叫びが、その行く先を暗示する。

 この作品は、意味やストーリーではなく(そもそも、そんなものはないのだが)、感覚で受け取れるかどうかなのだと思う。
 最後の衝撃的な行動が分からない人には、永遠に彼の「Vanishing Point」など見当がつかないのだ。

 あのラストこそ、自由(とその現実)の魂なのだと思う。

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