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Mercy Mercy Me



 Marvin Gayeの歴史的超傑作『What's Going On』は、1971年、人種偏見がまだ根強く、ベトナム戦争の泥沼化や世界的な冷戦構造という、混迷を深めていく時代背景の中でリリースされた。
 世相を反映し、ここでは反戦やエコロジーや社会的なメッセージが、力強く歌われる。
 ソウル・アルバムでありながら、かつてローリングストーン誌が行った「ロックの歴史を変えたアルバムTOP 10」に選ばれたこのアルバムは、何と言ってもかっこいいのである。こんなグルーヴ感を持ったアルバムが他のどこにあるんだ、というくらいに。
 特に、中盤、『Save the children』『God is love』『Mercy mercy me』と続く怒濤の展開は、もう、ある種の高みにまで意識を飛ばす。
 だいたい、こんなものすごいタイトルを並べられて、それさえもかっこいいと思わせるのは、このアルバムだけ。


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