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I Would Die 4 U

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 Prince & The Revolution / Purple Rain (1984)

 ティーンだった頃の自分を、決定的に変えてしまったアルバム。
 ここがブラック・ミュージックへの入口であり、自分にとっては最終出口でもある。
 極言すれば、80年代のプリンスと、最初の2枚のマイケル・ジャクソンのソロ・アルバムでもうほぼすべてなのだ。ブラック・シーンの歩みは。自分には。

 このアルバムはプリンスの中では最もロック色が強い。全体を通しての構成も素晴らしい。ジミヘンばりのギターが聴けたり、ロック的なダイナミズムを感じ取ることが出来る一方、楽曲は非常にポップであり、音もすごくクリアで、キャッチーでもある。
 そして何より凄いのは、そのリズム。プリンスはつくづくリズム作りの大天才なのだと思う。他も凄いのだけど(歌詞もメロディもパフォーマンスも)、彼の天性のリズム感が、自身を天才以上のモンスターにしているのだと思う。

 アルバム全曲良いし、『パープル・レイン』のギターソロの後にあるストリングスなんて涙ものだけど、自分が一番好きなのは、『ビートに抱かれて』が終わり、『ダイ・フォー・ユー』が始まる瞬間の躍動感。
 それはシンセの飛翔する音と、リズムが交差する特別な一瞬。まさにブラックの歴史ともいえるファンクビートからニューウェーブのリズムへと切り替わるキラメキの瞬間が、時空を駆けていくかのような爽快感を与えてくれる。

 このアルバムはいつ聴いても全く色褪せない。
 今では当たり前のようになった、for や you を、4 や U に変えてしまったのもプリンス。
 鉄壁な盟友、ザ・レヴォリューションのカッコ良さも含めて、ロックとファンクとニューウェーブを奇跡的にポップにまとめあげ、世界を紫色に染め上げてしまった、80年代で最もショッキングなアルバム。

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