Everything In Its Right Place
Radiohead / Kid A (2000)
久し振りに『KID A』を聴いた。すごく聴きたくなって。
2000年リリースだから、もう20年も前の作品になるのか。
リリース時にあれだけ衝撃を与えたアルバム(その多くは、ロック的なアプローチではない、ということだったのだが)は、改めて聴き返してみると、まさにロック感溢れる作品だった。
美しいサウンドは驚くほど躍動的で、リズムは起伏にとみ、斬新な音処理は今年リリースされた新作といっても頷ける。
これだけロックでクリアーな場所から、世界はその後、完全に混迷の度合いを深めた異世界になってしまった。深く沈んでいきながら、個々はばらばらに離れ、それでいて同調を求める、深い深い湖底のような場所に。
あの時、KID A が歩いて行った先は、そんな世界だったのだろうか。
違う。違うはずなのだ。
未だに世界はその答えを求めているのだと思う。
一人孤高の道を突き進む、KID A の後を追って・・。
Shout To The Top
The Style Council / Shout To The Top The Collection (2013)
スタイル・カウンシル、というだけで、即座に何にでも反応してしまう自分なので、彼らのベスト曲が何かなんて挙げられないのだけど、やっぱり世の中的には「Shout To The Top」なのかな。
未だにベスト盤やレア・トラックスがリリースされる彼らだけど、2013年に出たこのベスト・アルバムには『Shout To The Top The Collection』というタイトルがつけられている。
(そしてどうやらジャケットに使われた写真は、あの「カフェ・ブリュ」の別カットらしい!)
まあ確かに、この曲以降、似たようなサウンドが至る所で本当にたくさん作られてきたから、オマージュ的にタイトルにつけたくなる気持ちは分からなくはないけど。
それに、やっぱりカッコ良いタイトルだしね、シャウト・トゥ・ザ・トップ!
最初にあのイントロに衝撃を受けてから早33年・・。
ティーンエイジャーだった自分は、もはやトップに立つ気概もプライドもすっかり錆びついて、何処にも叫べやしないけど、この曲を聴いて心震える瞬間が未だにあるんだということを証明できたってことは、当時の自分にも教えてあげたいな。