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War Of The Worlds...

 2週間くらい前から、この文章のことばかり思い出してしまうので、ちょっと長いのですが再録です。

 宇宙戦争 DVD.jpg
 宇宙戦争 (2005)

 原作はもちろんH.G.ウェルズの古典的名作。中学生くらいのときに読んで、けっこう好きな作品でした。
 で、このスピルバーグが監督した映画版ですが、公開当時もDVD化された時も悪い評価が多く(作品が暗く長い、主人公家族がむかつく、ラストがあまりに唐突、など)、今まで観ていなかったのですが、原作ファンからは雰囲気が近くて好評という話も聞いていたので、気にはなっていたのです。
 それでまあ、ちょうどテレビ放映されたので観たのですが、けっこう面白かったです。

 いや、問題点を挙げていけばいろいろあるのですが、確かに原作に近い雰囲気はよく出ているし、多くの人が言うように、主人公たちのパニクり方とか、娘がキーキーうるさいというのはその通りなんですけど、むしろそこにムカついたのなら、製作者の意図通りではないかと。
 だいたい、悲劇も惨劇も、この世界では唐突に起こるわけで、いきなりそんなのがやって来たらどうしていいか分からないし、混乱もしちゃいます。実際にはたぶん、あの娘のようにキーキー叫ぶか、おろおろして何も出来ないか、ただ黙って座り込むかしか出来ないんじゃないかな。

 あと、やっぱり群集が怖いんですよね。もうずっと映画『28日後』を思い出しちゃって、ハラハラしてました。なんか火星人以上に人間が怖い。
 ウェルズもダニー・ボイル(28日後の監督)も英国人だし、そういえば最初平凡だった主人公が愛する者のため、やがて凶暴化するところも同じですよね。いえ、真似とかではなく、人間って突き詰めていくと、そういう存在なのかもしれない・・。

 あっ、あと、ラストが唐突過ぎるって指摘、それもその通りなんですけど、この世界の出来事の多くは自分ではどうにも出来ないところで決まっていくのであって(不況や経済危機や紛争など)、それはやっぱり知らないところで始まり、知らないうちに終わっている(もしくは永遠に終わらない)ので、現実的に時間を追ったストーリーなら、あんな感じじゃないでしょうか。むしろ、『インデペンデンス・デイ』みたいな爽快なラストの方が、現実から目を逸らさせて怖い気がします。

 うーん、なのでまあ、観ている間は面白かったのですが、原作を読んでいる時の方がもっと心に残ったなあ。
 それはもう、9.11.事件や、テクノロジーが進化しても平和にならないこの世界への、絶望のようなものかもしれないけれど・・。


 以上は10年くらい前に書いたもの。
 恐ろしいくらい、今の世界のことを言ってるような気がします・・。

 ちなみに、無敵に思えた火星人たちが突如全員死滅したのは、耐久のない地球上のウィルスが蔓延したからでした。

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All About Love 'Til Tuesday

 All About Love 'Til Tuesday Live Aimee.jpg
  New Wave で夢見た未来・・

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