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I Would Die 4 U

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 Prince & The Revolution / Purple Rain (1984)

 ティーンだった頃の自分を、決定的に変えてしまったアルバム。
 ここがブラック・ミュージックの入口であり、自分にとっては最終出口でもある。
 極言すれば、80年代のプリンスでもうほぼすべてなのだ。自分は。

 このアルバムはプリンスの中で最もロック色が強い。
 全体を通しての構成も素晴らしく、ジミヘンばりのギターが聴けたり、ロック的なダイナミズムを感じ取ることが出来る一方、楽曲は非常にポップであり、音もすごくクリアで、キャッチーでもある。
 そして何より凄いのは、そのリズム。プリンスはつくづくリズム作りの大天才なのだと思う。他も凄いのだけど(歌詞もメロディもパフォーマンスも)、彼の天性のリズム感が、自身を天才以上のモンスターにしているのだと思う。

 アルバム全曲良いし、『パープル・レイン』のギターソロの後にあるストリングスなんて涙ものだけど、自分が一番好きなのは、『ビートに抱かれて』が終わり、『ダイ・フォー・ユー』が始まる瞬間の躍動感。
 それは、シンセの飛翔する音と、リズムが交差する特別な一瞬。まさにブラック・ミュージックの歴史ともいえるファンクビートから、ニューウェーブのリズムへと切り替わるキラメキの瞬間が、時空を駆けていくかのような爽快感を与えてくれる。

 このアルバムはいつ聴いても全く色褪せない。
 今では当たり前のようになった for や you といった単語を、4 や U に変えてしまったのもプリンス。
 鉄壁の盟友、ザ・レヴォリューションのカッコ良さも含めて、ロックとファンクとニューウェーブを奇跡的にポップにまとめあげ、世界を紫色に染め上げてしまった、80年代で最もショッキングなアルバム。
 永遠の紫の雨の中で・・。

 (Prince Rogers Nelson 1958年6月7日 - 2016年4月21日)

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