Living Through Another Cuba
XTC / Black Sea (1980)
「1961年のキューバ再び・・。僕ら資本主義に生きてる豚!」
そうXTCが歌ったのは、35年も前のことだ。だが今になってもなお、ボクら自身がろくでもない日常に生きているのは少しも変わらない。
闘いのない日本には、キューバ革命の英雄ゲバラをあしらったT-シャツがファッション・アイテムとして流行ったりもした。
しかし、クラッシュのアルバム・タイトルが『サンディニスタ(ニカラグア民族解放戦線のこと)』であったり、70年代中頃までのスプリングスティーンがゲバラみたいな風貌であったりと、そんなことは、東京の渋谷を歩く現代の革命家気取りたちにどう映るのか。
長生きしたいなら、この日常を守りたいなら、そんな心意気など見せぬことだ。キューバの海岸で、アンデスの山奥で、銃に撃たれて死ぬ覚悟はあるのか。
だが、革命家に必要なのは、無名であること、若いこと、であるらしい。まだその権利はあるということだ。精いっぱい生きたいのなら、この世界に名を残したいなら、必死に戦って、どこかで死んでしまえ。
The Motorcycle Diaries
若き日のゲバラは、旅の最後、遠い異国のペルーで誕生日を祝ってくれた優しき人々にこう言う。
「無意味な国籍により国が分かれていますが、南米大陸は1つの混血民族で形成されているのです。
ゆえに、偏狭な地方主義を捨てて、ペルーと、統一された南米大陸に乾杯しましょう」