Astro Boy
NHKの『ロボット革命 人間を超えられるか』は非常に考えさせられた。そのくらい、衝撃的な内容だった。
これまでヒト型ロボット「ヒューマノイド」の開発は、日本の独壇場だった。
特にホンダの作った「ASIMO」は世界最高峰のレベルで、人工知能により自ら判断し、高い身体能力で二足歩行やダンスも可能という、他を圧倒する傑作だった。
だが、思わぬところから事態は変化していく。福島原発の事故だ。
あの時、ヒトの入っていけない施設内で応急の処置が必要だったのに、日本製のロボットにはそれが出来なかった。
また、それまで工業用ロボット中心だったアメリカも、事故をきっかけに、ヒューマノイド開発に方針を変えた。汎用性のあるヒト型でないと、災害や事故時に効果を発揮できないと考えたのだ。
ここで凄いのは、アメリカの脅威の開発力(それは軍事産業がいかにアメリカにとって重要なのかの裏返し)なのだけれど、ヒューマノイドの動きがターミネーターそのもので、恐怖を覚えてしまった。
対する日本勢は、動きも見た目も滑らかで、機械ではなく友だちみたいな印象。
それはアトムの国だからこそ成し遂げられる、最大の効果なのだ。
日本のロボット開発が他国と決定的に違うのは、軍事目的か否か、ということだと思う。
番組でも言っていたけれど、開発者はアトムやガンダムを観て、ロボットの未来に胸を熱くして開発を進めてきた人たちなのだ。機械を単にモノとしてしか見ない欧米の考え方とは根本的に違うのだ。
特にホンダの開発者たちには、本当に感動した。
アメリカの国防総省が最大4億円を支援する開発プロジェクト(最終的には軍事への転用が想定される)の参加を即座に断り、「自分たちには今なすべきことがある」と言って、福島原発へASIMOを向かわせるべく開発を続ける姿には、涙が出た。
(だいいち、ロボット会社ではなく、クルマ会社が世界最高のロボットを作ってるとこが凄い。さすが世界のホンダ!)
そうだ、日本には、アトムがあって、ガンダムがあって、ASIMOがあるんだ。
ホンダの作ったロボットは、まもなく福島原発内の視察用に現場に投入されるという。
アメリカのヒューマノイドも来年の実用化に向け開発が進められている。
それ以外にも、次々とロボットたちは人間の代わりに工場などに投入され、ヒトの領域にどんどん進出している。
果たして、ヒューマノイドの登場で、世界はどう変わっていくのだろうか・・。
Jordan : The Comeback
Prefab Sprout / Jordan : The Comeback (1990)
もはや説明不要の大傑作アルバム。
ネオ・アコースティックもモダン・ポップも、ここに極まれり、という気がする。
多感な思春期も、永遠と思えた若き日の苦味も、今になってみれば一瞬。だがその一瞬は、生きていく上で決定的な一瞬でもあるのだ。
これは、そんな青春時代を彩どってくれた、かけがえのないアルバム。
一瞬しか現れない刹那の煌めきを、半永久的に留めてくれた、奇跡のマスターピース。