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Owner Of A Lonely Heart

 
 Yes / 90125 (1983)

 このアルバムはもう何百回聴いたか分からない。それこそ、高校時代もっとも聴いたアルバムBest 3に入ると思う。

 今では長いイエスの歴史の中の1枚、という認識のされ方が強いけれど、バンドが解散していたこの時期、本来ならイエス再結成アルバムではなく、「元イエスのベーシスト&新進気鋭のギタリスト(トレバー・ラヴィン)のニューバンド」のアルバムになるはずだった。
 それが、結果的にバンドに元イエスの面々(第二期イエス)が集まったため、新生イエスとして出発することになる訳だけど、ある意味それは良くもあり、悪くもある。
(多分イエスを名乗らなければ、トレバー・ラヴィンはもっと評価を受けていたに違いないのに・・)。
 ただ、過程はどうあれ、結果的にこのアルバムは非常な名作となったので、その選択は正しかったのだろうとは思う。
 往年のプログレ楽曲の中に、キャッチーでメロディアスなシングル曲を入れること、聴きやすくしながらも、ディープに変拍子が続く音世界を展開していくこと。

 もう一つ、このアルバムを特徴づけた大きな要素として、トレバー・ホーンのプロデュースが挙げられる。
 当時、真似しようとして誰も出来なかったオーケストラ・サンプリングの衝撃、非常に洗練されたクリアーな音、大胆なニューウェーブ・サウンドの導入・・。
 『90125』は、鬼才トレバー・ホーンの手腕と、超絶テクを自在に繰り出すトレバー・ラヴィンのギタープレイによるところが大きかったと思う(もちろん他のメンバーもテクニシャン揃い)。
 ニューウェーブに洗練されたサウンドの中で構築される、めくるめく音世界。どこまでも無限に広がり、幻惑的で、時にハードに、次々に変化していく重層なサウンド。

 このアルバムには、プログレの雄として裏打ちされた高度なテクニックとスタイルに、最先端の音とアレンジを大掛かりに持ち込み、両者をうまく融合させたダイナミックな一瞬がある。
 ドラマチックでありながらポップであること。
 それは間違いなく、ロック界に、80年代イエスの確かな足跡を残すことになった。

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