Voyage au bout de la nuit
フェルディナン・セリーヌの『夜の果てへの旅』。
セリーヌは最大の反逆作家で、不遇のうちに生涯をかけて闘ったうえに破れた人、と言われている。さらに『夜の果てへの旅』は、20世紀最高の作品の一つとも。
『夜の果てへの旅』の冒頭で、彼はこう言っている。
「旅に出るのは、たしかに有益だ。旅は想像力を働かせる。
これ以外のものはすべて失望と疲労を与えるだけだ。僕の旅は完全に想像のものだ。それが強みだ。
これは生から死への旅だ。人も、けものも、街も、自然も一切が想像のものだ。小説、つまりまったくの作り話だ。辞書もそう定義している。間違いない。
それに第一、これは誰にだって出来ることだ。目を閉じさえすればよい。
すると人生の向こう側だ」