Everything In Its Right Place
Radiohead / Kid A (2000)
久し振りに『KID A』を聴いた。すごく聴きたくなって。
2000年リリースだから、もう20年も前の作品になるのか。
リリース時にあれだけ衝撃を与えたアルバム(その多くは、ロック的なアプローチではない、ということだったのだが)は、改めて聴き返してみると、まさにロック感溢れる作品だった。
美しいサウンドは驚くほど躍動的で、リズムは起伏にとみ、斬新な音処理は今年リリースされた新作といっても頷ける。
これだけロックでクリアーな場所から、世界はその後、完全に混迷の度合いを深めた異世界になってしまった。深く沈んでいきながら、個々はばらばらに離れ、それでいて同調を求める、深い深い湖底のような場所に。
あの時、KID A が歩いて行った先は、そんな世界だったのだろうか。
違う。違うはずなのだ。
未だに世界はその答えを求めているのだと思う。
一人孤高の道を突き進む、KID A の後を追って・・。