Waiting On A Friend
まあ、この歳になってつくづく思うのは、同期って大事だよな、ということ。
今さら同期なんて作れないから。
というより、新入社員の時だけだよね、出来るのは。
自分は何回か転職してるので、同期と一緒に仕事なんてもう遥か昔のことなんだけど、半分以上はいま何やってるかさえ知らないし、そもそも大概忘れてる。
でもねえ、やっぱり何人かはハッキリ覚えているし、その内の何人かは、未だにかけがいのない友だち。というか、戦友、親友みたいなもん。
だって、あのどうしようもなく恥ずかしく、打ちのめされ、蹴とばされ、必死でもがいてた1年目を伴走してくれた人なんて、同期以外いないでしょ。
(あっ、先輩はいたけど、超恥ずかしい顔を見せられたのは同期だけ、ってことで)
この作品『沖で待つ』は、だからまあ、よく分かるんだよね。
主人公は女性で、同期の太っちゃん(このネーミングがすべて、ってくらい作品にとって素晴らしい)は男性なんだけど、最初に同じ部署に配属された2人なんで、恋愛なんかまったくないんだけど、同期として、同志として、かけがえのなさは痛いほど分かるのよねえ・・。
で、まさかの展開があって、彼女は戦友の同期のために決死の作戦を決行するのだけど・・(そこは読んでみて!)。
基本的にさらさらと読めるし、淡々と進んで行くんだけど(それってわざとやってるからスゴイんだけど)、作品のタイトルになった「沖で待つ・・」ってところね、ここがまた唐突に、グッときちゃうんだな、これが!
さて、英文タイトルは『Waiting Offshore』の方が正しいのだろうけど、作品内容を反映し、『Waiting On A Friend』にしてみました。
いや、ローリング・ストーンズの好きな曲名なので。
それでいいだろ、太っちゃん・・。